ここではアニメ化が決定して話題の、まんがタイムきららMAXに掲載の険持ちよ先生の『RPG不動産』1巻について、ネタバレを交えながら感想・考察を述べていきます。
レビュー記事はそのうち作る予定です。以下ではネタバレ注意です。
1巻1話『はじめてのお部屋探し』
あらすじ
初めて都会に出てきた風色 琴音は、RPG不動産という名の不動産屋でお部屋探しをすることに。RPG不動産のファー、ルフリア、ラキラの3人とともに、琴音の無茶な予算(300G=約3万6千円)に収まる部屋を探しに行く。
都会でこの予算に収まる部屋は、ものすごく高いツリーハウス、臭いのものすごい魔女の古民家、冒険者が部屋を漁りに来る部屋など、どこか難のある部屋ばかり。現実を見た琴音は考え直そうとするが、ファーが自分の隣の部屋を紹介してくれる。
めでたく部屋が決まった琴音だったが、実はRPG不動産で新しく働く予定だったという。琴音を加えたRPG不動産の4人の生活が始まるのだった。
感想・考察
記念すべき1話です。あらすじにも書いていますが、何気にこの話で琴音の苗字が明かされているんですね。初めて読んだときには私はすっかり見落としていたようです。
まず気になるのが、琴音の名前。ファーにルフリアにラキラと洋風の名前が並ぶ中に、唯一和風の「風色 琴音」という名前が並んでいることが気にかかった人も多いのではないでしょうか。
琴音がそういう地方の出身なのではないか、という説がまず思いつきますが、後々琴音と同じ出身で洋風の名前を持つキャラが出てくるため、この説は少し違うようです。しかし、大昔の琴音の先祖は和風の国で暮らしていて、どこかのタイミングで今の地域に移住してきた、というのはありえなくも無い気がします。
ただ、個人的にはメタ的な観点として「初期設定では異世界物だったのではないか」説を推したいです。多くの作品において、プロトタイプ版の設定は現在我々が見られるものと大きく異なることがあります。ピクシブ百科事典によれば、たとえば『銀魂』においては初期設定ではメインキャラの多くの設定が異なるようです。
つまり、「琴音は日本出身であり、RPG不動産の世界に異世界転生・転移した」という設定が初期にはあり、何らかの理由でボツになったのではないかと考えます。もちろん証拠はないので単なる妄想に過ぎないのですが、そうだとすると名前については納得が行く気がします。アニメ化の折にはそういった初期設定も(あれば)公開していただきたいですね。
さて、今回は、一話らしく主人公である琴音のお部屋探しの回となりました。しかし、琴音の提示した予算である、家賃3万6千というのは都会ではさすがに厳しいですよね。1話の舞台は王都だったはずですから、東京で3万と考えると、とんでもないですよね。実際ルフリアにもこう言われてしまいます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ルフリアの性格が一目でわかる良いコマだと思います。ルフリアはこの通り、明け透けに言ってしまえば(表面上は)ちょっときつめの性格ですが、あとでわかるように仲間を思いやるやさしさもあります。
この話でもうひとつスポットライトが当てられたのは、ファーについてです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ファーの住んでいるアパートは亜人が多く集まり、人間の言葉は全く通用しませんでした。しかしファーはコマにある通り、どの種族とも言葉を交わすことができるという能力を持っているため、いままで難なく暮らして来れたようです。
この能力については、『RPG不動産』で重要なカギとなりますが、それについては後程。
それにしてもどんな種族とも言葉が交わせるというのはとても便利ですね。母語じゃない言語をひとつ覚えるだけでもすごく大変なのに、種族の数だけ話せるわけですから、かなりヤバイ能力です。実際、ストーリー的に重要なのはもちろんですが、それ以外でもファーは通訳として活躍しています。
さて、最後に私が気になったのが、(順番的には最初に持ってくるべきですが)RPG不動産のRPGとは何なのか、が明かされていることです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
Rent(賃貸)、Plan(計画)、Guide(案内)不動産というのが正式な名称のようですね。
メタ的にはRPG=ロールプレイングゲーム=ファンタジーということで「ファンタジー世界での不動産屋」という作品の内容を簡潔に伝えるための名前であり、その名前をファンタジー世界でも通用するようにこのような略称を当てた、ということだと思っていますが、なんというかすごくしっくりくる名前ですよね。
Rent, Plan, Guideというのが先で、ロールプレイングゲームと被ったのは偶然なのではないかと思わせるほどです。ともあれ、このダブルミーニングはほんとうにすごいと思います。
さて、4人が揃ったRPG不動産。琴音の初仕事が始まります。
1巻2話『大賢者ルナ様』
あらすじ
仕事がなくて暇なところに、英雄の一人で大賢者のルナからお部屋探しの依頼が舞い込んでくる。出世したいルフリアは張り切って担当をすることに。
ルフリアは賢者様に見合うようにと大きなお城や王国を一望できる高い塔を勧めるが、どうもあまり感触が良くない様子。そうしていると、ルナが部屋に置いてあったグスタフの花に気づく。それを通じて琴音はルナと雑談をしていると、琴音はあることに気づき一つの家を勧める。
そこは田舎の古い家ではあるが、一面にグスタフの花が広がる景色のある場所だった。どうやらルナはいままでも豪華な家を勧められてきたが、それが肌に合わずゆっくりとした場所で暮らしたかったという。自分の感性を生かし、初仕事を成功させる琴音だった。
感想・考察
着任してから最初の仕事がVIPの対応というのはなかなか荷が重いですね。まあそもそも城下町の小さな不動産屋にVIPが来ること自体が異例だとは思いますがw
ルナが来る直前、暇な4人は団らんを過ごしていましたが、ここでは前回居なかったラキラについて特に細かく語られています。ラキラはジョブ的には戦士なのですが、戦士用のラキラの衣装はかなりヤバイです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
白い所はすべて肌です。琴音は特に驚いていないようですが、痴女かと言わんばかりの露出度ですねwRPG不動産は露出度が結構高くきわどいシーンが多いですが、ラキラの露出度に勝てる者はいないと思います。まあゲームとかだと露出度の高い防具が防御力高かったりしますから、こんな薄着でもものすごく防御力が高いのかもしれません。
とはいえ本人はこれを着るのをすごく恥ずかしがっているようですがw
さて、大賢者であるルナが到着すると、すこし気になるシーンが。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
この回の最初の方では、ファーの素性は全く不明であると語られています。その素性に迫るのがこのコマです。この世界には勇者なる人物がおり、ルナはその勇者の仲間の一人のようですが、ファーは勇者たちと深いかかわりがあるようですね。
この時点でファーがやんごとなき身分の人であるというのはなんとなく想像できる気がします。まあこれを書いてる時点の最新話ではもう素性が分かっているので考察の余地はありませんが…
ルナに対して張り切るルフリアですが、今回はから回ってしまった様子。的確な指摘をする琴音に潔く負けを認めますが、家では落ち込む様子が見られました。そこで百合的にポイントの高いシーンが繰り広げられます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ルフリアとラキラはなんと同棲しているようです。この時点でポイントがすでに高いですが、一緒に寝てよしよしまでしてるとは、もうこれは結婚しているといっても過言ではありませんね(思考力の低下)。
冗談はともかく、ルフリアとラキラは幼馴染のようで、かなり親密な関係にありこのシーンのように百合ファンにとって楽しめる要素が多いです。『ななどなどなど』でも思ったのですが、きららはこんな感じで主人公以外のメインキャラの百合度が高いというのがよくある気がします。百合を中心に据えている『観音寺睡蓮の苦悩』ですらそんな感じな気がします。百合は眺めるものであるという思想の現れでしょうか?
仕事がだんだんわかってきた琴音。次はついに上司に会います。
1巻3話『テーマパーク魔王城』
あらすじ
琴音、ファー、ルフリアの3人はある日上司であるサトナに呼び出される。用件とは魔王が倒された後テーマパークとなった魔王城のまわりの街の空き部屋を埋めることだった。
穴だらけの洞窟、井戸の中の部屋、なぜか焦げている部屋など、一見難のある部屋ばかりで困る一同。とりあえず仕事を終えて家に帰ると、琴音とファーは同じアパートに住む亜人と出会う。その亜人は子供が増えて引っ越しを考えているようだったが、子供たちが壁に穴を掘って困ってもいるようだった。そこでファーが例の穴だらけの洞窟を勧めると、大満足だった様子。
その他の部屋もそれぞれの性質に合った亜人種が入居することになり、依頼を達成することに成功。ファーが亜人種と人間の架け橋になっていることに喜ぶサトナだった。
感想・考察
サトナが登場する回でもありますが、どちらかというとファーの活躍に主眼が置かれた話ではないかと思います。ファーの「どんな亜人種とも喋ることができる」という能力が思いきり使われた話でした。
前回は勇者とかかわりの深い話でしたが、今回はその対となるであろう魔王に深いかかわりのある話です。今回の舞台となった魔王城は、今ではテーマパークになっていることが以下のコマでは語られています。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
「勇者が魔王を倒した」と語られていますが、いつ倒されたかは前回語られていて、15年前であるようです。ずいぶん最近の話のようですね。
そんなに早くテーマパークって作れるのだろうか、と思い東京ディズニーランドの着工から開園までの期間を調べてみたのですが、オリエンタルランド公式によれば1980年12月に着工、1983年4月15日に開園のようで、およそ2年ぐらいのようです。まあディズニーランドは1から作っていますが、この場合はお城がすでにありますから、もっと短いとは思います。
とはいえそれでも時間のかかる事業でしょうから、かなり早い段階(おそらく魔王が倒されてから10年以内?)でテーマパーク化が決定したのではないかと思います。争いが終わってすぐにその中心をテーマパーク化するというのはなかなか勇気が必要だったのではないでしょうか。なんだかここらへんの話が気になってきました。
さて、あらすじにも書いたとおり、サトナからいろいろと難のある部屋を紹介され、入居者を集めることを依頼される琴音たち3人。紹介される中では、サトナの独特な感性が露わになります。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
井戸の中の部屋を紹介されたときにサトナが放った言葉です。井戸だけあってとにかくびしょびしょな部屋ですが、それをこのようにポジティブにとらえていく感性は尋常じゃないですね。やっぱりこれぐらいの胆力がないと出世できないのかもしれません。
ところでこのコマではサトナの服装も見られますが、ラキラほどの露出度ではないとはいえ、この服もかなりヤバイですね。下着だけを着ているよりも露出度が高いこの服はいったいどこに売っているのでしょうか。そしてどうやってこの服は体に貼り付いているのでしょうか。激しく動いたらどうなってしまうのでしょうか。謎が尽きませんねw
そんなこんなで難しい案件をクリアした琴音たち。RPG不動産の仕事は続きます。
1巻4話『琴音、新人歓迎会』
あらすじ
ある日の琴音、大きな屋敷への入居希望者を探したり、無理な条件の部屋を探したりと、難しい仕事続きでうまく行かない様子。そこで気晴らしに、ルフリアたちの家で琴音の新人歓迎会をすることに。
ルフリアとラキラはルームシェアをしており、それぞれが暮らす部屋を見たり、またルフリアが琴音を心配していたことなどを聞き、2人の意外な一面を知る琴音。一方2人のルームシェアや、自身とファーとの生活をヒントに、大きな屋敷を複数人でシェアさせることで仕事における難題を解決することに成功する。
入居者の入った大きな屋敷を見て、「いつか4人で大きな家で暮らしたい」と語る琴音だった。
感想・考察
いろいろとあったのでだいぶ時間が経ったような気がしますが、まだ歓迎会もやっていなかったんですね。1話から長く見積もっても1か月くらいでしょうか。琴音はなかなか濃い人生を過ごしていると思います。
この回ではルフリアとラキラについていろいろと掘り下げが行われました。全部は紹介できませんが、個人的に特に気になったのが年齢について。ルフリアとラキラは以下のように語っています。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
歓迎会が始まり、お酒を飲んでいるシーンですが、どうやらルフリアやラキラは17歳のようです。また、この後琴音の年齢は16歳、ファーはお酒を飲めない(16歳未満)ことも語られています。
仕事をしているので18歳ぐらいかと思いましたが、この世界ではずいぶん若い年齢から仕事をするようですね。一応学校の類はあるようで、2話では琴音が学校を出て魔法使いになったことを語っています。ただ我々の世界でいうところの大学などといった高等教育機関の存在は語られていません。
まあ学歴のない世界は良い世界ですよね。
またルフリアやラキラの部屋についても公開され、とくにラキラの部屋がこちらのようです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ずいぶんと戦士らしい部屋ですね。第2話のルフリアとラキラのベッドシーンでラキラの部屋は一瞬だけ出てきている(画面左のベッドが件の現場ですね)のですが、カメラワークのせいでこの戦士らしい部屋は見ることができませんでした。
ところで、右側にあるようにラキラはちゃんとした鎧は持っているようですね。それでもあのとんでもない服装を選ぶのは、やっぱり何か理由があるのでしょう。(うろ覚えですが、後の話で語られていた気がします)
またこの回では百合度の高いシーンもありました。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
今回の歓迎会の料理を用意したラキラに、琴音が「すぐにお嫁さんになれそう!」と言ったところの2人の反応です。こうルフリアに言われたラキラも「うん…」と満更ではない様子で、もはや2人の絆は幼馴染とかそういう次元を超えているようですね。式にはぜひ出席したいです。
それにしてもラキラのこの部屋着(でしょうか?)もなかなか破壊力が高いですね。お腹がざっくりと空いているような気がします。しかしこの服ですら露出度に関しては例の戦士着には勝てないという…つくづくあの服のヤバさを思い知らされます。アニメ化したときの反応が楽しみです。
1巻5話『お化け物件!?』
あらすじ
「私が希望する条件なんてきっとないと思う…」と語る女性、リリィに困る琴音。一方RPG不動産の担当する物件からお化けが出てまた退去者が出たというルフリア。今日も難題だらけのRPG不動産だったが、とりあえずその空いたという部屋を4人で確認することに。
件の物件は噂に違わぬ心霊物件で、ひとりでに動くティーカップや足をつかむ謎の影など、お化け屋敷というのにふさわしい物件だった。そこでこの物件はお化け屋敷として売り出すことに。
するとリリィがこの物件を見たいとやって来た。実は彼女はネクロマンサーで、このような部屋を探していたという。住み心地はどうかと聞く琴音に、「最高です~!」と答えるリリィだった。
感想・考察
ストーリー的になにか重要なことが起こる回ではありませんが、RPG不動産の日常が垣間見れる回です。
お化け屋敷に到着した4人はやっぱりお化けに出会ってしまいますが、社交的なファーはお化けでも交流しようとします。しかし…
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
どうやら「どんな種族とも言葉が交わせる」というファーの能力は生者限定のようです。魔法のある世界だと亜人も幽霊もそんな変わらないような気もしますが、意外な限界ですね。なんというか、霊の言葉は言語という次元を超えているのかもしれません。
そもそもファーの能力の原理はどんなものなのでしょうか?やはり剣と魔法の世界ですから、魔法的なものだと考えるのが一番しっくりきますが、一巻のはじめにある書下ろしでは、おそらく魔力に関わってくるであろう「かしこさ」というステータスは、ファーは4人の中で一番低い6で、戦士であるラキラよりも低い(ラキラは7)ことが書かれています。
一方7話では、ステータスの値とは打って変わってかなり魔力を持っている様子で、ステータスの値はあまり信用ならない可能性があります。これについては7話でもう一度話したいと思います。
もう一つ気になったのが、ファーの靴。以下のコマではちらっとファーの靴が見えます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
「お化け屋敷ではお化けが足を掴んでくる」と聞いて、同じことをしてルフリアを驚かせようとするファー。何回もいたずらしてそのたびに怒られているのに、中々ファーも懲りないようですねwまあ、ファーなりのスキンシップなのかもしれません。
さて、ここではファーはちょっとかかとの高めな靴を履いています。あんまりパンプスを履く機会がなかったので、かかとの高い靴は全部パンプスだと思っていたのですが、Wikipediaなどによればどうやらパンプスというのは甲部分が大きく空いている靴を指すようですね。ということは、ここでファーが履いているのは「かかとの高めなブーツ」でしょうか?靴にもいろいろあるんですねえ。
1巻6話『ペットと一緒に暮らしたい!』
あらすじ
RPG不動産に、ペットのペガサスのシロと一緒に暮らしたいという女性、トトがやってくる。トトは琴音と同じ地方の出身であり、同郷のよしみで琴音が張り切って担当することに。
しかし大きなペガサスと暮らせるような家はとてもボロいか、さもなくばものすごく高価な物件ばかりで、ギルドの受付嬢になる予定のトトには難しい物件ばかりだった。
シロと暮らすことは諦められないので、仕事は諦めて実家に帰ろうとするトトだったが、ギリギリのところで機転を利かせ、琴音は普通なら交通が不便だが、ペガサスが居ればまったく問題ない物件を勧める。万事うまく行き、「これでシロちゃんと一緒に暮らせます!」と語るトトだった。
感想・考察
現実でも物件がペットOKかどうかは一部の方にとってはとても重要なことですが、今回はファンタジー世界らしくペガサスと一緒に住みたいというトトを中心とする回でした。
現実世界に換算すると、馬と一緒に暮らせるような物件を探すようなものですが、少なくとも日本には無さそうな気がします。(賃貸でなければありそうですが)「馬 アパート」などと検索してみても「馬」が地名に入っている場所のアパートしか見つけられず、探すのは困難を極めそうです。
さて、トトが到着する前の日常シーンでは、ラキラの意外な特技が明かされます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ファーが撫でられるのが好きだというので、逆にファーがそれぞれのメンバーの「気持ちいい場所」を探す、という流れになり、ラキラはうまく言ってファーに肩を揉ませてしまいます。
このように他人事のように言っているルフリアも、あとでラキラにうまいこと誘導されてしまうので、どうやらラキラは武術だけでなく話術にも長けているようです。まあルフリアはラキラの言うことならなんでも聞いちゃいそう、という懸念もありますがw
この回では、この世界での「リアル」に迫るような描写が多くありました。たとえばこちら。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
現実でいうところの、田舎では車を持ってないと不便みたいなものでしょうか。まあファンタジー世界の田舎というのは、日本でいうところの田舎と違って本当に周りに自然しかないような場所でしょうから、徒歩で移動してたら何日もかかるレベルでさまざまな施設が遠いのでしょうね。(ちなみに、琴音の実家についてはあとで話があり、どれほどのレベルの田舎なのかが見ることができます)
また、トトはギルドの受付嬢になる予定で琴音たちの街に来たようですが、その倍率について語られています。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
なんと受付嬢の倍率は200倍とのことです。なんか受付嬢がそんなに人気あるイメージが湧かなかったのですが、我々の世界で言うところのアナウンサーみたいなものと考えるとしっくり来る気がします。
おそらく、ギルドの催し物でもとにかく司会などとして起用されたりと、とにかく目立つ職業なのではないかと思います。そのような厳しい試練を乗り越えて採用されたトトはかなり有能であろうことが伺えますね。
ところでアナウンサーについての話が出ましたが、日経新聞によれば、アナウンサーの倍率は330~750倍程度だとされているようです。200倍でもかなり非現実的な数字だと思っていたのに、アナウンサーの世界はそれよりも狭き門のようで、現実の話なのに現実じゃない気がしてきます。こういった数字を見ると「アナウンサーみたいなもの」という予想はけっこう当たってる気がします。
さて、トトとシロが一緒に暮らすことができたのを見て、ファーはこんなことを言いました。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
まだまだ知り合って間もないと思うのですが、ずいぶん親密な仲になったようですね。まだ式とかを考えるレベルではないとは思いますが、これからの発展に期待したいです。そしてそれを眺めたいです。
…というのを言いたかったのではなくて、このあとに続くコマはすこし不穏な雰囲気を漂わせており、これから何かが起こることを予感させています。このように「一緒にいる」なんてフラグを建ててしまえばそれが回収されてしまうのは自然の理であり、これからRPG不動産の面々は少しずつある事件に巻き込まれていくことになります。
1巻7話『都市計画・開発整備』
あらすじ
休日のある日、王城に集められた4人。ワープゲートの設置のため、王国所属の人たちを集めて魔力を徴収するという。しかし、王国の担当者であるセーラとモナは、この日集まった人数では到底魔力が足りないことに気づいてしまう。
そんなことも露知らず、魔力を提供する4人だったが、ファーの順番になると、一気にメーターがいっぱいになり、装置が壊れてしまう。しかし、セーラは魔力が予定通り集められたことに安心し、お咎めなしで帰してくれた。
そんなファーを見たルフリアは、最近ニュースになっているドラゴンの出現と何か関係あるのではないかと心配するのだった。
感想・考察
ここからちょっとずつストーリーが動き出していく、という意味で重要な位置にある回だと思います。またセーラとモナが初登場する回でもありますね。
セーラとモナはときどき登場するサブキャラ的な位置ですが、登場するたびにコントを繰り広げるようなおもしろコンビであり、『RPG不動産』の中でもけっこう好きなキャラです。たとえばこのコマです:
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
魔力が全然足りないとわかり、彼女たちの上司でもあるサトナにおしおきされるのではないかと恐れたセーラの反応です。モナが脅かすのでセーラはますます心配してしまいます。なんというかモナはセーラで遊んでいる気がしてなりませんねwこんな感じで、サトナに怒られることも多いコンビでもあります。
今回の話では、『RPG不動産』の社会に関する設定を垣間見ることができます。たとえばこちら。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
今回集められたのは魔力徴収のためでしたが、それがどのように使われるかという話題になり、琴音たちがまったく興味なさげだったのを見たルフリアの反応です。
まあ我々の世界の大人でも社会情勢に全然興味なく、ただ流されるように暮らしている人も多くいますから、むしろ17歳でルフリアのようにアクティブな人の方が珍しい気がします。高等教育機関が無い(と思われる)この世界ではなおさらです。
話がそれましたが、社会設定の話でした。以前にもお酒を飲んでいる描写があったりしましたが、やはり大人とみなされる年齢が我々の世界とは違うようです。新入社員である琴音が16歳なので、この世界では16歳成人制であるようです。こちらのブログなどでは、
また、子供として扱われる年齢はだいたい15歳ぐらいまでで、貴重な労働力として大人への階段は早かったのです。
出典:中世ヨーロッパの生活① ~典型的な庶民の一生~ | Historiai
などと言われており、モデルとなったであろう中世とだいたい一致しているようですね。
さて、何度かすでに述べましたが、この話から少しずつストーリーが動き出していくことになります。最初のきっかけがこちら。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
魔力を与えるために魔力徴収装置に触れると、MPの値がものすごい勢いで上がっていく、というシーン。以前ファーの「かしこさ」は戦士であるラキラより低い、と述べましたが、ラキラのMPは0であった一方、ファーのMPは6ケタぐらいあるように見えます。
結局装置が壊れてしまったので正確な値は見ることができませんでしたが、少なくとも10万人ぶんの魔力を持つのは間違いないようで、「かしこさ」から考えられる魔力とは別の隠されたナニカがあるようです。5話でも話した、ファーの他種族との交流能力もここから来ているようです。
なぜそれほどの魔力を持っているのか、とかそういった疑問は、これから先の話で解決されることになります。
1巻8話『海の家』
あらすじ
休日、他の3人を海に呼び出す琴音。4話で話していた、4人で暮らす家の候補を見つけたので見てほしいという。せっかく海に来たので、水着に着替える4人。
その家があるはずの場所に来ると、建物など見当たらず一面の海だった。落ちこむ琴音だったが、帰ろうとするとその家の場所を知っているというカニの亜人に出会う。実はその家は海の底にあり、琴音がもらっていた水中ポーションでそこまで行くことができた。
しかしポーションを作れる人魚はすでに亡くなっており、この家に来るのは困難なので例のカニの亜人に譲ることに。せっかくの計画が流れてしまった琴音だったが、「私たちの仕事は住まいを提供して幸せになってもらうこと」とルフリアに励まされ、元気を取り戻すのだった。
感想・考察
もったいぶった前回でしたが、今回はストーリーが進むことはなく、水着回の時間がやってきたようです。それはそれはたいそう眼福な回であり全部お見せしてしまいたいぐらいですが、訴えられてしまうので控えておきましょう。ただラキラに限ってはいつもの服が水着よりひどい(誉め言葉)ので、あんまり違いがない気がします。
今回興味深かったのは水着もそうですが、「RPG不動産の4人が家族だったら?」という琴音の想像もありました。そのコマがこちら。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
ラキラがママというのは、戦士なことを考えるとちょっと意外ですね。このことは作中でも触れられており、「パパ」とはどういう人なのかを説明されたファーが、「あれ?ラキラの方がパパだった?」と素朴な疑問を投げかけるシーンもあります。
一方、歓迎会(4話)でも見られたように、ラキラには料理が得意であり、また6話でも見られたように、仲間たちを話術でうまいこと誘導するようなスキルもあるようです。個人的なイメージですが、このようなスキルセットは確かに「ママ」という方に近い気がします。
実際、以下のように家ではラキラのほうが家事をやっているようです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
「ごはんにする?お風呂にする?」というセリフは、ラキラがよく家で言っているようですね。もはや二人の関係は結婚などとっくに通り越してしまい、ふうふ生活を過ごす段階まで行ってしまったようです。もはや我々の手には負えません。このような尊さの前では我々は消えてなくなるしかないでしょう…
この手のセリフは最後に「それとも、私?」と続くのが定石ですが、ラキラはそういうのは言ったりするのでしょうか?2話の甘えるシーンなどから、どちらかというとそういうのを言いそうなのはルフリアな気がしますが、そうやって甘えることを受け入れる包容力こそが、ラキラをママたらしめている所以かもしれません。最近は某二回攻撃するママのように戦えるママも多いですからね。
最後に、人魚に関するシーンについて。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
琴音が探していた家があるという海底都市に連れてこられた一同。本来は連れてきてはいけないようで、その理由について上のように語られています。人魚を食べることで不死になる、という伝説がよくありますが、そのような伝説がこの世界にもあり、乱獲されてしまったのでしょうね。
結果として、琴音たちが到着した時点では最後の人魚はすでに死去しており、ここにいた人魚はすべて絶滅してしまったようです。そういった理由で、琴音たちが人魚を見ることはありませんでした。人間はやはり野蛮ですね。滅ぼすしかあるまい。
この類の伝説は西洋由来だと思っていたのですが、Wikipedia等を見る限り、人魚を食べて不死になる、というのは日本由来の伝説である「八尾比丘尼」伝説が由来のようです。ファンタジー系の設定でよく見ていたので、私には勝手に洋風のものだという先入観がついてしまったようです。
確かに海外の作品で人魚というと、歌で船を難破させるセイレーンのように、乱獲される対象というよりは恐ろしい魔物として描かれている気がします。
1巻9話『琴音の実家』
あらすじ
長期休暇に入り、琴音は実家に帰省する予定でいたが、ファーが寂しがっていたので、一緒に連れて行くことに。実家では、鼓や響といった琴音の妹たちを始めとする琴音の家族と出会う。琴音とファーの仲の良さを見て嫉妬する妹たち。ことあるごとにファーと張り合い、危険な場所にあるという「月光草」を取ってこれるか、とファーを挑発する。
気にしないように琴音に言われたファーだったが、思うことがありやはり月光草を取りに行くことに。そんなファーを心配しついていく妹たち。モンスターに襲われてしまったのではないかと恐れたが、無事だったファー。危険を冒してまで月光草を取りに行ったファーに妹たちは感激し、「次に帰ってくるときはファーも一緒ね」と琴音にいうほどに仲が縮まるのだった。
感想・考察
過去に何度か語られていた琴音(と6話で出たトト)の出身地「ルクルン地方」でのお話でした。個人的に一番好きなコマがこちらです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
飛行船で4時間移動したあと、列車に5時間に乗り、もう移動に疲れ果てたところに、まだ馬車で一時間移動しないといけないと言われたファーの反応です。
かわいいのはもちろんですが、ファーはいつでもニコニコしているイメージで、実際琴音にこのように告げられるまではニコニコしていたので、なんというか珍しいものを見た気分ですwファーのポジティブメンタルにも限界があるんだなあと思わされます。
ところで、6話ではルクルン地方には飛行船で4時間かかると言われていましたが、どうやら琴音の家はルクルン地方の中でも奥のほうにあるようで、加えて列車で5時間も移動しなければいけなかったようですね。
具体的な数字を出されると、距離がどれくらいか計算したくなってしまったので、計算してみました。airships.netという飛行船の情報を取り扱うサイトでは、爆発事故で有名な「ヒンデンブルク号」の1936年10月9日のフライトについて以下のように書かれています。
ヒンデンブルク号はレイクハーストを6:57 AMに発ち、ハドソン川を越えてニューイングランドに飛び、そしてハートフォード、スプリングフィールド、ウスターを越え、ボストンにおよそ正午にたどり着いた。
引用元:Hindenburg “Millionaires Flight” 訳は引用者による
レイクハーストとボストンの距離は、Google Mapによればおよそ374kmです。したがって、ヒンデンブルク号はおよそ5時間で374km飛べたようですね。今回は4時間ですから、琴音たちが乗った飛行船がヒンデンブルク号と同程度の性能であったならば、およそ300km程度飛んだということになります。300kmというと、知恵袋のこちらの回答によれば、東京からおおよそ新潟県や岐阜県までの距離だそうです。遠いようで近いような、そんな距離ですね。
ここからさらに琴音たちは汽車に5時間乗っていたわけですが、Wikipediaによれば、日本で初期に使われた蒸気機関車は東京-沼津間(およそ128km)を3時間20分で走ったようです。琴音たちの汽車が同様の速さで走ったとすると、だいたい5時間で192km移動したことになります。
合計した移動距離は492km。これは直線距離にすれば東京から岩手ぐらいまでの距離で、とにかく遠いですね。中世基準だと、都会からここまで離れた場所はもはや田舎というよりは自然という言葉のほうがふさわしいかもしれません。
長くなってしまいましたが、今回の内容についても触れましょう。今回メインになったのは、鼓と響という琴音の2人の妹でした。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
双子とまでは言われていませんでしたが、髪型から服までかなりよく似ている二人。某異世界作品のメイドさん2人を思い出します。ものすごく対称的な2人の容姿から、琴音は本当に姉妹なのかという疑問を一瞬抱いてしまいますが、目元は3人ともかなり共通しているように感じられます。カラーになった際には目の色など見てみたいですね。
このコマのように、とにかくいたずらっ子という言葉が似合う二人のようで、琴音も後のコマでは昔からよく困らされてきたと述べています。しかし、それは愛の裏返しのようです。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
嫉妬もかわいいですね。好きな子にはいたずらしたくなる心理でしょうか、いたずらを良くするものの、根本では琴音のことが大好きなようで、姉妹百合的な要素が非常においしい回だと思います。
残念ながらこの後ふたりはしばらく出演しないのですが、個人的には姉妹百合が大好きなので、もっと出てほしいです。
1巻10話『ルフリアとラキラ』
あらすじ
ある家を壊しアパートを建てるというので、その管理の仕事をもらったルフリア。しかしその建物はルフリアとラキラにとって思い出のある建物のようで、昇進のためにと計画を進めるルフリアにラキラは反発し、出て行ってしまう。
そんなラキラを追いかける琴音。件の家に着くと、ラキラは昔の話を始める。実は家の建物はルフリアのかつての実家だったという。武器商人の娘だったルフリアは過去にはいじめられており、偉くなりたいのはいじめてきたみんなを見返したいからではないかと語り、しかしもうそんな事は忘れて頼ってほしいと語るラキラだった。
家に戻ったふたりの間には気まずい空間が広がるが、ルフリアが話し出すと空気が一変し、お互いの思いをぶつけあう。お互いの心の内を話したふたりは仲直りし、「次にここ(新しく建てるアパート)に住む人に良いところがいーっぱいあるって教えてあげたいの」と前向きな気持ちで仕事に取り組むことを決めたルフリアだった。
感想・考察
題名の通り、ルフリアとラキラがメインとなる回です。今までも語られてきたルフリアやラキラの性格や思いについて説明がなされます。
まず注目したいのが、あらすじにも書いたルフリアの「偉くなりたい」という欲求について。2話でルナの応対をした際のように、とにかくルフリアは昇進欲求が強いキャラとして描かれています。その理由として、ラキラは「いじめっ子たちを見返したいから」ではないか、と推測していますが、本人によれば実際の理由は別のところにあったようでした。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
いじめっ子たちから自身を守ってくれたラキラを、今度は自分が守りたいというのが理由だったようです。うーん、尊いですね。いじめっ子どもは滅びるべきですが、いまのルフリアとラキラとの関係を形作った重要なファクターであることは間違いないようです。
また、ルフリアが僧侶の魔法を覚えた理由についても以下のように語られています。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
「あの時」、というのはいじめられていた時のことでしょう。僧侶の魔法を覚えたのは、ラキラの傷を癒したいから、とのこと。やはり、ルフリアの行動原理の多くはラキラにあるようです。
傷というと、ラキラの戦士服ではつけなくていい傷までついてしまいそうですが…ルフリアから何か言われたりはしなかったのでしょうかwそこまで含めて治してあげたい、ということでしょうか?
そんなこんなで仲直りした二人は、いつも通りのいちゃいちゃっぷりを見せつけてくれます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
尊さが強すぎる…!あーんしてあげる側がラキラなのが、ラキラのママみを増しているような気がします。2話から今回まで、ルフリアがラキラに甘えることは多くありましたが、逆はちょっと思いつかないですね。ルフリアはかなりの甘えん坊のようです。
1巻11話『ドラゴン襲来』
あらすじ
隣町がドラゴンに襲われたというニュースが流れ、物々しい雰囲気のRPG不動産。そんなRPG不動産に「破壊神」を名乗るドラゴンが「隣町のようになりたくなければ住居を提供しろ」とやってくる。
タダで豪邸をよこせと無茶な要求をし、後からいろいろと要求を付け加えるドラゴンに困り果てる4人だったが、このまま言いなりになるのは許せないと覚悟を決めたラキラはドラゴンに立ち向かう。するとドラゴンが一人でにバラバラになってしまう。
実はこのドラゴンは団子のようなモンスターが複数集まって擬態していた偽物で、弱く仕事も無い彼らは隣町の騒ぎに乗じてこのようなことをしたという。そんな琴音は彼らに擬態を生かしてドラゴン被害の掃除をするようにすすめ、一件落着となった。
感想・考察
一巻の最後のエピソードとなる回です。まだ本格的にストーリーは動きませんが、いくつか重要な事実が示唆されます。
…のですが、この回の最初のほうはかなりアクセル踏みっぱなしの展開が続きます。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
掃除をしている最中、下からパンツが丸見えだと指摘され恥ずかしがる琴音に、「いつも一緒にお風呂入ってるのに、パンツは恥ずかしいなんて変なの」と言うファー。それを受けた琴音の反応がこのコマでした。
いくら恥ずかしくなくても、自分から見せるのはちょっとヤバい気がしますwそれを恥ずかし気もなく見ているファーも、かなり大らかな性格のようですね。こんなんアニメで流せるんでしょうか?もしアニメでこれに相当する部分が流れたら、アニメスタッフの勇気に乾杯(あるいは完敗)です。
道が逸れましたが、今回ファーの素性にかなり迫るシーンがありました。それがこちら。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
今回も活躍したファーの「あらゆる種族の言葉を理解できる」という能力。それに助けられたモンスターはこのように語りました。どうやら、この能力をかつて持っていたのは魔王だけだったというのです。
これを聞いたファーは、モンスターがなんて言っていたのか琴音に聞かれても、魔王関連の話については意図的に話しませんでした。ドラゴン騒ぎでRPG不動産がピリピリする中、琴音に余計な心配はかけたくないと思ったのでしょうか。
ファーと魔王とのかかわりは2話にも遡ることができます。勇者の仲間であるルナは、ファーを見て「友人によく似ている」と語りました。この「友人」というのが、魔王その人であったのかもしれません。
しかしそうすると新たな疑問が浮かび上がってきます。多くの作品において、魔王と勇者は争い合う存在であり、ここまでの『RPG不動産』の展開においてもそれは変わらぬ原理でした。この一見矛盾のように見える2つの事実は、今後の展開によって解き明かされることになるのでしょうね。
そして、ここまでいくつか話されてきたドラゴン騒ぎについて。琴音は以下のように語っています。
出典:険持ちよ『RPG不動産』1巻
かつて見た魔力の膨大さとドラゴンのようなしっぽから、ファーが街を襲ったドラゴンなのではないかという疑いを持っていたルフリア。それに対して、そんなことをするはずがないと考える琴音。
しかし読者視点からは、この回のはじめなどにあったように、ファーが眠っている間に移動していることが描かれ、眠っていた間に気づかず暴走していたのではないか、と思わせる表現がなされています。
結局ファーは例のドラゴンなのか、そして魔王との関係は、といった疑問は、2巻以降へと受け継がれていくことになります。
まとめ
これからストーリーがどんどん展開していきそうなところで終わった『RPG不動産』。
二巻についてはすでに記事が上がっているのでぜひごらんください↓
『RPG不動産』2巻のあらすじ・感想・考察。【ネタバレあり】
以上、『RPG不動産』1巻の記事でした!
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